ブガ・スフィアとは?コロンビアで見つかった謎の金属球をめぐる論争

ブガ・スフィアとは?コロンビアで見つかった謎の金属球をめぐる論争 UFO・UAP
C arango(パブリックドメイン、Wikimedia Commons経由) コロンビアのブガの町並みを高い場所から撮影した写真です。ブガ・スフィアの写真ではありません

2025年3月、南米コロンビアの町で、空を飛んでいたという銀色の金属の球が見つかりました。表面には文字のような模様が刻まれ、つなぎ目も見当たらないことから、SNSではUFOではないかと大きな話題になりました。

この球は、見つかった町の名前から「ブガ・スフィア(ブガの球体)」と呼ばれています。この記事では、報道で確かめられる事実と、語られている説を分けて整理します。

概要

ブガ・スフィアは、コロンビア西部のバジェ・デル・カウカ県にある町ブガで、2025年3月に見つかったとされる金属製の球体です。金属探知機で硬貨を探していた男性が、空中を飛ぶ球を見つけて手に取ったと伝えられています。

球はその後、メキシコのジャーナリストでUFO研究家のハイメ・マウサン氏のもとに渡りました。マウサン氏の側は地球の外の技術だと主張していますが、コロンビアの科学者などからは、地球で作られた物だという見方が相次いでいます。

確かな事実として分かっていること

ここでは、大手の報道機関が伝えている内容をまとめます。ただし、球の性質についての話の多くは、発見者やマウサン氏の側の説明で、第三者が確かめたものではない点に注意が必要です。

硬貨を探していた男性が見つけた

コロンビアの報道によると、見つけたのは、金属探知機で古い硬貨を探すのが趣味の男性でした。地元紙の取材では、2025年3月に硬貨を探していたとき、頭の近くで何かの気配を感じ、最初は鳥だと思ったと話しています。よく見ると、それはモーターの付いたボールのように飛ぶ金属の球だったといいます。

男性たちは、飛んでいる球の様子をスマートフォンで約8分間撮影したとされています。アメリカやイスラエルのメディアは、球が3月2日にブガの上空をジグザグに飛んだあと、地上に落ちたと報じました。マウサン氏は、球が電線にぶつかって落ちたと説明しています。

つなぎ目の見えない銀色の球

球は銀色の金属でできていて、溶接の跡やつなぎ目が見当たりません。表面には、文字や図形のような模様が刻まれています。大きさについては、報道によって数字が大きく違っています。

発見者は、最初は2キロほどだった重さが、日がたつにつれて約10キロに増えたと話しています。球に触れたあと、めまいや吐き気がして、口の中に金属のような味を感じたとも語っていますが、どちらも第三者が確かめたものではありません。

放射線科の専門家は地球の外から来た物だと主張

2025年5月下旬には、アメリカのニュース雑誌ニューズウィークや、FOXニュースのサイトなども、この球を取り上げました。コロンビアの放射線科の専門家ホセ・ルイス・ベラスケス氏は、溶接や接合の跡がまったくないことを理由に、地球の外から来たUFOだと主張しています。

ベラスケス氏の側はX線で球の中を調べ、球は3つの層からなり、内部には小さな球がいくつも入っていると説明しました。ただ、小さな球の数は、報道によって9個や16個などと食い違っています。

メキシコのUFO研究家のもとへ

球はその後、発見者のいとこで、コロンビアの都市カリで金属探知機を扱う会社を営む男性に預けられました。この男性は、鉛の防護服を着て球を受け取り、2か月ほど会社で保管したと伝えられています。

やがて球は、ハイメ・マウサン氏がメキシコに運びました。マウサン氏は2023年9月、メキシコ議会の公聴会で、ペルーで見つかった人類ではない生物の遺体だとするミイラ2体を公開し、世界的な議論を呼んだ人物です。

マウサン氏の側は、メキシコ国立自治大学(UNAM)の専門家が調べた結果、球の中にさまざまな太さの光ファイバーが見つかったと説明しています。また、アメリカのジョージア大学の研究所で、球の赤道にあたる部分の31個の小さな穴に入っていた樹脂を放射性炭素で年代測定し、約1万2560年前という結果が出たとも主張しています。

しかし、コロンビアの地元紙やメキシコの新聞によると、どちらの大学も公式の報告や研究結果を公表していません。

メキシコで一般に公開された

2026年3月15日には、マウサン氏がメキシコ市の大きなホールで講演会を開き、球を展示しました。講演では、球の内部の構造や、刻まれた記号をサンスクリット語と結びつけて読み解く試みなどが紹介されたと報じられています。

語られている主な説

地球の外や古代の技術だという説

マウサン氏の側は、球は地球の外の文明と関わりのある物だと主張しています。浮かぶ力や電磁気を生み出す仕組みがあり、刻まれた文字はサンスクリット語の古い形に近いといった説明もしています。

約1万2560年前という年代測定の数字も、この説の根拠として語られています。ただ、スペイン語版のギズモードは、放射性炭素の年代測定で分かるのは樹脂などの生き物に由来する物質の年代で、この数字が球全体の年代を示すとは限らないと指摘しています。どの部分を測ったのか、誤差はどれくらいなのかも分かっていないとしています。

人が作ったアート作品だという説

ニューズウィークの取材に答えたアメリカの研究者ジュリア・モスブリッジ博士は、球はいかにも人の手で作られたように見え、アート作品ではないかと述べています。こうした物が注目されることで、本当の未確認異常現象(UAP)の調査の信頼が損なわれかねないという懸念も示しました。

最近作られた地球の装置だという説

地元紙の取材を受けたコロンビアの科学者たちは、地球で作られた最近の技術製品だと見ています。コロンビア国立大学の天文台の天体物理学者は、光ファイバーのような部品はごく地球的な物だとして、先史時代の物だという話には科学的な信頼性がないと述べています。

アンティオキア大学の天体物理学者は、宇宙から落ちてきた物なら大気との摩擦で表面が焼けているはずなのに、この球はきれいすぎると指摘しました。

また、発見者のいとこの男性は地元紙の取材に、話題になる前にボゴタの研究所から連絡があり、2011年から続けている実験の装置だとして返すよう求められたと語っています。ただ、男性はこの話を信じておらず、裏付けも示されなかったとして、研究所の名前も明かしていません。

話題づくりのための仕掛けだという見方

カリの天文学校の校長は、宣伝をねらって仕組まれたものではないかと見ています。マウサン氏が以前に紹介したミイラをめぐっても多くの疑問が出されてきたことから、今回の話にも慎重な見方が少なくありません。

今も残る謎

一番の謎は、誰が、何のためにこの球を作ったのかです。地球で作られた物だとしても、作った人や組織ははっきりしていません。ボゴタの研究所の話も、名前が明かされていないため確かめようがありません。

空を飛ぶ様子を撮ったという映像や、重さが変わったという話についても、独立した研究機関が確かめた結果は発表されていません。コロンビアの科学者たちが指摘するように、専門家の審査を経た論文も出ていません。

正体をはっきりさせるには、第三者の研究機関が球そのものを調べ、その結果を公表することが欠かせません。それが実現するまで、ブガ・スフィアは謎の物体であり続けそうです。

まとめ

ブガ・スフィアは、2025年3月にコロンビアのブガで見つかったとされる、つなぎ目のない銀色の金属球です。表面の模様や内部の構造が注目され、メキシコのUFO研究家は地球の外や古代の技術だと主張しています。

一方で、コロンビアの科学者などは、最近作られた地球の物である可能性が高いと見ています。大学による分析や年代測定についても公式な発表はなく、今のところ地球の外から来たことを示す確かな証拠は示されていません。

僕のひとりごと

僕がこの話で面白いと思ったのは、硬貨を探していた男性が、最初は球を鳥だと思ったというところです。そこから球がいとこの会社に運ばれ、鉛の防護服まで登場し、最後はメキシコの大きなホールで展示されるまでの流れは、まるで映画のようです。ただ、大学の名前が何度も出てくるわりに、大学からの発表がないのはやっぱり気になりました。誰かが作ったアート作品だったとしても、ここまで多くの人の心を動かしたのなら、それはそれですごい作品だと僕は思います。

参考情報

アイキャッチ画像:C arango(パブリックドメイン、Wikimedia Commons経由) コロンビアのブガの町並みを高い場所から撮影した写真です。ブガ・スフィアの写真ではありません

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